ひとそれぞれ

「ひと、それぞれですね」
 そう1行だけ書けば済むこと、その1行しか書けないことについて。このごろようやく、書かずに済むようになったような気がする。

「ひと、それぞれ」
 そのことが、ようやく自分の中で「当たり前」になってきた。

 少女期の私と、まだ若かった親の組みあわせでは。「ひとそれぞれ」であることは許してもらえなかった。私も変わり、親も変わり、私の年齢も変わったし、“世間”とやらも変わったのかもしれない。

 ふと気がつけば、
「ひと、それぞれなんだから!」
って、あらためて叫ばなくても、もういいみたいだ。

 そのことに気がつくのに、いささか時間がかかったのが、私の頭の悪さを露呈しているなw

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 言及しないこと、発言しないことは、読まなかったことではないし、考えなかったことでもなく。てんと前足をそろえて、ピンと耳を立てて、コンとも啼かずに、じっと見ていることもあります。