はてなブックマークはキモチワルイ

 メジロを1羽見ても、別にキモチワルクもなんともない。でも“メジロ押し”になっているとちょっとキモチワルイ。たとえば、この写真ページの一番下。どこからどこまでが1羽の鳥なのか、ちゃんと真面目に見ればもちろんわかるのだけれど、一瞬、目が迷子になる。


 ブログの記事を書く。たとえばヨソのブログで、誰かが2行の言及をする。別にこわくもなんともない。でも、その2行の言及が、何百も並んでいると、ちょっとキモチワルイ。どこからどこまでが1つのコメントなのか、ちゃんと真面目に見ればもちろんわかるのだけれど、一瞬、目が迷子になる。


 以前、《Yahoo!》ブログの転載機能について、こう書いた。
増殖

同一のものがあまりにたくさんあるとき、私は不気味さ……ある種の恐怖心を感じる。
たとえば、蟻の群れをじっと見つめていたときに。
たとえば、YMOスネークマンショー「増殖」のジャケットのデザインに。
たとえば、数百件の同じ記事のコピーを見たときに。

 はてなブックマークは、もちろん、まったく同じものが並んでいるわけではないのだけれど。ちょっと似たキモチワルサがある。そのキモチワルサは、脳みそできちんと考えるものではなくて、背筋あたりで感じている。

キモチワルイ、けど平気(21:36追記)

 読み返して。少し補遺。
 ほっとエントリーのブックマークページを開くと、私は、「うへぇ」と思う。アリの群れをみたときにみたいに、背筋がちりっとする。
 でもだからといって、殺虫剤を撒いたり、靴底で踏み潰したりしたくなるか、というと、そうでもない。
 ちょっと読み出せば、文字は「群れ」ではなく、言葉の意味をなしてくる。
 興味深ければ読む。つまらなければやめる。2行ずつの寄せ集めでも、数百行の誰かの記事でも、そこは同じ。
 問題は最初の数秒の「うへぇ」だと思う。たぶん、ブクマ馴れした人はもう、それを感じなくなっているんじゃなかろうか。あるいは、それを感じる人は、ブックマーカーから脱落してしまうために、結果として、ブックマーカーのヘビーユーザーには、それを感じない人が残っている。そして、感じる人との間に、「感覚の齟齬」というか「乖離」をもたらすのではあるまいか。